酒米について
楯の川酒造では、顔の見える生産者から原料米を調達することはもちろんのこと、その栽培方法も「特別栽培」か「有機栽培」以上での生産を依頼しており、米と米麹、麹菌と酵母、そして水から造る、「限りなく純粋に近い日本酒」を追求しています。
山形オリジナル
山形県を代表する酒造好適米出羽燦々
由来
1985年に山形県農業試験場で「美山錦」と「華吹雪」をかけ合わせて誕生。美山錦の寒冷耐性を受け継ぎ、消化性も良く醸造適正に優れている。
特徴
山形県のみで生産され、2020年時点で県内で最も多く生産されている酒米。
酒質
粗タンパクがやや低いため雑味が少なくふっくらと香り豊かな味わい。酒米が比較的柔らかいので米の味が出やすく、バランスの良い酒質に仕上がる。
シャープでキレの良い美山錦
由来
1972年(昭和47年)、長野県農業試験場が「たかね錦」にγ線照射処理し、突然変異によって誕生した品種。山形県では、1988年(昭和63年)に優良品種に採用された。
特徴
寒さに強いので長野県や東北で多く作られている。同じく冷涼な気候向けの新品種の親株となることが多く、「出羽燦々」や「越の雫」がその子品種にあたる。
酒質
シャープな印象で、酸味が際立った味わいの酒に仕上がる。食中酒から甘酸っぱいお酒、酸味がアクセントの上品なお酒などを演出できる。
山形県が開発した純米大吟醸用酒米雪女神
由来
2015年、山田錦を越える酒米ということで、山形県初の大吟醸向け品種として育成された。
特徴
粒が大きく心白が大きすぎないので高精白でも砕けにくい。
酒質
山田錦と同様にきれいな吟醸酒となるが、アミノ酸がより低いため、より雑味が少なく繊細・上品な酒質に仕上がる。
庄内の在来品種
幻の酒米亀の尾
由来
コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまちなど現在存在する米の大半の祖先。
特徴
味わいのよさから広く栽培されたが、害虫などに弱いうえ、化学肥料や農薬を使うと米が極端にもろくなるという弱点を持っており、現代の農法に向かず、徐々に姿を消し、幻の酒米となった。
酒質
深みのあるコクと滑らかな味わいが特長。口の中に滑り込むような舌触りに、切れ味がよく、飲み込んだ後には鼻をくすぐるような余韻がある。
亀の尾の親、楯の川酒造が復活させた惣兵衛早生
由来
"幻の酒米"と称される「亀の尾(かめのお)」の親にあたる山形県庄内地方の在来品種。
特徴
惣兵衛早生の種もみを譲り受け、契約農家の方々に栽培を依頼。3年以上の年月をかけて作付面積を増やし、楯の川酒造が現代に復活させた。現在惣兵衛早生を酒造りで使用している酒蔵は楯の川酒造のみ。
酒質
上品な香りとほどよいボリューム感。 味わい深さとしなやかな酸味があり、口に含むたびに複雑な味わい。古代米らしく熟成にも向いている。
酒米の王様
日本を代表する山田錦
由来
「酒米の王様」と呼ばれる酒造好適米の代表的な品種。
特徴
心白が大きいのが特徴で、表層に含まれるタンパク質が少なく、味に透明感が出る。麹菌の活性に欠かせない水分を効率よく吸収できることで、良質な麹造りが可能。大粒で高精白に向いている。
酒質
香り高くて雑味がない透き通った繊細な味わい。上品な果実のような吟醸香も存分に楽しめるだけでなく、ふくらみのある米の旨味、程よい余韻をバランスよく味わえる。